小児疾患でよく耳にするのが「疳の虫」です。

医学的には「小児神経症」と呼ばれる疾患のの1つとされています。

「甘い物のを食べ過ぎで発症する!」との言われがある為、漢字の構成はヤマイダレにアマイとなるんですね。


・疳癪(かんしゃく)を起こす。

・不機嫌でイライラしやすく、ちょっとした物音に驚く。

・よく原因が分からない夜泣きが続く。

・必要以上に泣き、寝付がとても悪い。

・「キーキー」など金きり声をあげてしまう。


など、一般的に異常に興奮しやすくなっている子どもの状態を指します。


また、私見ではありますが・・・


・顔色が青白い。

・目つきが鋭い。

・眉間、額、目じりなどに青筋がある。または出やすい。

・神経質な性格。

・両親のどちらかが冷症。
(特に母親の体質や妊娠期間中。)



などに当てはまる方も「疳の虫」を発症しやすい場合があります。

鍼灸治療では、小児鍼と直接皮膚に触れない棒灸を使用しながら、精神状態の安定を促す治療を行います。

子どもから笑顔がきえてしまう事はとても残念ですね。

鍼と灸は小児疾患にも適応し、様子を見ながら安全に行うことができるので、もっともっと普及して欲しいです。



さて、では疳の虫ってどんな虫なのでしょうか。

こんな虫です。(画像があらくて・・すみません。)

13999778210.png

これは、戦国時代に描かれた鍼灸の秘伝書「鍼聞書(はりききがき)」に記載されています。

原本は、2002年に発見され、九州国立博物館に収蔵されています。

この本の巻末には『永禄十一戊辰年十月十一日 摂州住人上郡茨木二介元行』と花押があるそうです。

1568年10月11日、現在の大阪府周辺に住んでいた二介という人が記したということがらしいのです。


パッと見ると、キモかわいいユニークな虫たちがたくさん書かれた絵本のような絵日記のような感じですが・・・・

内容はしっかりとしていて、鍼灸師が一人前になるために知っておくべき基本をまとめてあります。

鍼の基本的な操作や疾患別の応用方法などを見聞きして書かれたものです。

ですから、鍼や灸を身体のどこにするかを示した図や、体の中にいる虫の図とその治療法、体内の解剖図などが書かれています。

この時代の人々は、病気はハラノムシが原因で引き起こされるのだと考えていたのですね。

ですから、「虫」を使った体調の表現が多いのかもしれません。

小学校のこと、蟯虫検査をしたことを思い出しました。

衛生環境が悪かった時代ですから、実際に虫に悩まされたかたも多かったのです。


興味のある方は、当院の本棚にもありますので、ぜひ手に取ってご覧ください。



ちなみに・・・・

13999778350.png


こちらは「大酒の虫」です。

この虫が体内にいるとお酒を飲んでも飲んでも足りなくなるそうです。

ありがたいような、そうでないような。。。

今も昔も、人々の愉快さは変わらないのかもしれないですね。




スポンサーサイト
ずいぶんと温かくなりましたね。

やっと春が来た!と思っていたらGWの真っ最中でした。


よく「子供でも鍼って受けられるんですか?」と対象年齢について質問を受けます。

お薬や食物によっては摂取できない年齢もあるので、心配ですよね。

でも、鍼灸治療では、治療内容・目的により使用する道具が異なる為、年齢は関係ありません。

関東地方にはなじみが薄いですが、小児の年齢であっても鍼灸治療はおこなわれます。


『小児鍼(しょうにしん)』という子供用の鍼があるのです。

これは、通常の鍼とは違い、体内に刺入しない鍼になります。

関西地方では、400~500年前から盛んに行われ、小児鍼を専門としている先生もいらっしゃいます。

使われる鍼の形は、施術者それぞれの使いやすいように工夫されたものがたくさんあります。

代表的なものに、ローラー型やほうき型の鍼など様々です。


当院では、衛生保持のために滅菌されたディスポーザブル(単回使用用)を使用します。

こんな感じで個別包装されています。
13991080380.png


短期・長期に関わらず、病院へ入院・通院歴のある方は部屋に入り、白衣をみただけでも怖がってしまいます。

消毒の臭いやカーテンの掛かった部屋などが「痛い」「嫌なことをされる」を連想させてしまうのですね。

直接皮膚に触れる道具も「冷たい」と感じるとより恐怖感が増します。

ですから、年齢が低ければ低いほど、最初はこの鍼をじっくりと観察し遊んでもらいます。

不信感がなくなるころを見計らって、撫でたり擦ったりトントンしたりと施術の開始です。


「くすぐったいな?」「もぞもぞするな?」から、

「さわさわするな?」「かいかいだな?」へと変わり、

「トントンされてる?」「チクチクするかな?」に慣らしていきます。


また、施術室には保護者の方も同伴できます。

乳幼児は抱っこをしながら、一人で寝ころべる方なら手をつなぎながらでの治療も可能です。

むしろ、その方が安心感があって安全に治療を受けることができますね。

でも、子どもは泣くのも仕事!大きな声でないても構いません。


小児鍼の対象年齢は、乳幼児から4~5才くらいまでが一般的です。

小学生以上では、体格や体質によって使い分けています。

刺激によって治療していく医療なので、どのような道具をどのように使っていくのかは慎重になりますね。

もちろん、場合によっては大人にもこの小児鍼を使うこともあります。


小児鍼はまだまだ知られていませんが、小児特有の疳の虫などにも効果的です。

子どもとママが安心して過ごせますように。


プロフィール

nijiiro acu

Author:nijiiro acu
神奈川県鎌倉市在住。
はり師、きゅう師、
あん摩マッサージ指圧師。
鍼灸と東洋医学が大好きです。
地域医療や鍼灸の普及に貢献できますように。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム
QRコード
QR